2019年 05月 05日
ジーンズを販売しているけども、ジーンズのメリットを上手に言えないこともあるので、ここで一度まとめを。 ジーンズはデニムという綿の素材を使ったパンツのこと。ジーンズを最初に作ったリーバイ・ストラウス社は、1853年にサンフランシスコで創業した。 1873年に衣料品のポケットの補強にリベットを使用する特許を取得。それが今あるジーンズの原型となった。 御存じの人も多いように、元々ジーンズは坑夫のための純粋な道具であり、アメリカのゴールドラッシュの時に使われていた丈夫なテント地を元に作られた。 ガラガラ蛇除けにインディゴ・ブルー(藍)で染めたのを使ったとか、汚れを目立たなくしたためとか諸説ある。 アメリカでは自然回帰のBack to Nature運動も重なり、丈夫で実用的なモノというのは「価値」を生んだ。 「ヘビーデューティー」という言葉も生まれ「丈夫で実用的なモノ=本物(ホンモノ)」という概念も生まれた。 日本では、そんな用から派生したモノであるためデザイナーの柳宗理さんは「アノニマスデザイン」とも呼んだ。 一つの方向から見ても、結構な情報量であることが分かる。しかし、丈夫でホンモノだから人気があるのか?というとどうだろうか。 ジーンズには勿論歴史もあり、変遷もあり、作る会社の「こだわり」が垣間見えたり、生産者の「感情」のようなモノが見えやすいプロダクトではあるが、それは同時に使う人の「感情」を表すプロダクトとも言えると思う。 我々も、そんなにジーンズを勉強してこなかったため、今イロイロな情報を入れている所ではあるが、その中で興味深い文章があった。 「エヴィスジーンズこさえてもう20年ほどになります。早いもんですわ。時々ふと「Gパンはヤスモンや」言われたことを思い出します。 ~中略~ 高い?高かったら高級品?エヴィスジーンズ、どうみても普通のGパン。高級品とは言えまへんやろ。ふつうのしょうもないGパンですわ。 ふつうのしょうもないGパンなんで2万円もすんねん?「何で2万円もすんねん」思うてる人、ウチのGパン、買わはることおもへんわ。 他になんぼでも、安いGパン安いありますやろ。エヴィスジーンズは一本2万円もする高いGパンなんは、確かですな。 ほなエヴィスジーンズは、高いからええもんなんか?ちゃいますわな。大体、何を持って、ええもんや、いいますのんや? 「Gパンはヤスモンや」まんざら無茶な言葉でもないな、て最近思いまんねん。 2万円のGパン5年はいたら1年4千円、10年はいたら1年2千円。やっぱりGパンはヤスモンですわな。 ヤスモンだけに、何も気にせんとガンガン穿けるんが、Gパンのええとこですわ。へろへろに酔うて帰ってきて脱いだらほったらかしでも何の問題もない。 これがスーパー100やら120やらの、ティッシュペーパーみたいな高級ウール製トラウザースやと、そうはいかん。 ヤスモンにはヤスモンのええとこおまんねん。 ~中略~ 大体、穿き込むほどにええ味に変化してくれる衣料品素材、そないおまへんで。正しく言うと変化言うより劣化でんな。 デニムの場合、この劣化の過程に独特の味がありまんねんな。衣料品てふつう、着込んだり、穿き込んだら、劣化して、もとの色ははげはげ、ほつれぼろぼろ、そこら中びろんびろんになって、着れんようになるもんです。 着れんことなくても見た目、なんとのう、みすぼらしなるもんですわ。それがあんさん!このデニム言う素材だけは、ちゃいまんねん。 独特の風合いに化けてきよる。最近は、意図的に、味の出てくる素材を開発してるメーカーさんもありますけど、そうゆう今時の話は別として、普通のデニムて、100年以上前からある、綿製の綾織り素材、ほんまの意味でトラディショナルなもんです。」ー山根英彦物語 CLUTCH Magazine vol.2 ちょっと長くなりましたが、価格帯における考え方もあり、とても良い文章と思いましたので。 ジーンズは使う人だけのオリジナルな「色落ち」をし、世界に一つだけのプロダクトと成る。 奇しくも、藍を使ってあるため「侘(わび)寂(さび)」の味わいのある日本的な感覚もあり、文章にあるように、破けようと汚れようと、それがファッションと成り得る稀有なプロダクトである。 穿き込まれたジーンズは「その人らしさ」を良く表している。真面目な人は真面目な穿き方をしているし、大らかな人は大らかに。 それはジーンズだけとは限らないけど、ジーンズは使っていく内に精神的(感情的)に成長するプロダクトとも思える。 決して、丈夫なだけの簡易的プロダクトでは無くなり、150年以上という永きにわたり魅力を解き放っている。 また、世界的にも認知され、フォーマルにも適応出来るようになってきた。博多駅で仲間と視察していたけど、ジーンズを穿いている比率は男女共に高く、現代の生活に浸透していることが解る。 だからこそ、我々もジーンズを穿かれる人に失礼の無いように学び、プロダクトとしても成長をしていきたいと願っています。
by sumiya-aramono
| 2019-05-05 20:11
| モノ
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