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2018年 05月 26日

「良い雑誌」

「九州の食卓」が春号をもって休刊するという。10年間作り続けてこられたということで、一つの節目と思われたのだろう。

「良い雑誌」_b0369943_14515040.jpg

マガジンハウスの「yucari」が休刊したのと同じくらいの衝撃。毎回買っていた訳ではないけれど、誌面から伝わる真剣さと校正の見易さは学ぶものがあった。

今から20数年前のファッション全盛期は、今のようにネットも普及していないため、雑誌を見てお店に行きモノを買う、というサイクルで動いていて、三方善しの法則が成り立っていたと思う(お店からの広告費と雑誌経営が成り立っていた)。

しかし、ネット全盛期。欲しいモノはより安くより速いお店に流れ、雑誌よりblogや口コミ、回線による広告費が主流になっている。

もちろん雑誌は売れなくなり(電子書籍化もあるが)、書店経営も壊滅的被害に遭っているのが現状である。

そんな中での「九州の食卓」の休刊。10年間されていたことに敬意を払わずにはいられない。本当に、こういうことは無くなってしまって存在の大きさに気が付くから嫌になる(でもバックナンバーは販売されていくと思います)。

それで、私個人が思う搾取されない物の売り方。結局、人は皆生活がかかっています。水は高きから低きにしか流れません。物を作る以上、売れなければならないと思う企業がほとんどです。

昔の民藝館の話ですが、民藝館では(主に柳宗悦さんがですが)物を売っていまして流通させていました。しかし、今のようにではなく「ギルド」と言って、そのコミュニティから出ないような仕組みを作り、販売においてもそこからしか(民藝館や決められた工芸店でのみ)買えないようにして物の価値を保っていました。

今に思えば、そのような仕組みにした方が、物は少ないかもしれませんが長く続いていくと感じます。はい、私の考えではなかったですね(笑)

ですので、これからオリジナルなど作った場合は、一つの所からでのみ買えない仕組みにすれば、とても面白いのではないかと思います。もちろん、それがとても良い物である必要があります。

最近、何事においても「目的」というのが大切だなあと思います。国会の場の目的は?アメリカンフットボールの目的は?物事が大きくなると、いろんな目的が入ってきまして、結局何のためにしているのか解らなくなります。

だからこそ「九州の食卓」の編集長は一度休刊されたんだろうと感じます。いろんな想いはありますが、雑誌同様、小出しの情報だけ与えておいて、大切なことは現地にありますよ、くらいにしておかないと勝手に満足する方が多くなりますね。

10年間お疲れ様でした



by sumiya-aramono | 2018-05-26 14:49 |


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