2018年 01月 25日
「リーチ先生」を読む。 ![]() なるほど。史実に基づくのもあり、創作の部分もあり。「アートフィクション」とは面白いものだなあと思いました。 -以下ネタバレ注意- バーナード・リーチや柳宗悦の描写は知ってる方なら納得するような描写であり、民藝ファンの一人としては、この本をきっかけに民藝館に行ってくれる方が増えてくれたら嬉しい限り。 ここからの感想は独り言のようなものですが、主人公の亀乃介の傍らにいろんな熱量を持ったスーパースター達が居たにも関わらず、主人公は芸術としての本質が全く理解出来なかったのが残念というか哀しくもある(終盤は理解していたのかもしれないが)。それは、気のせいかもしれないけど現代の人間を作者が揶揄しているのか、はたまたもどかしさを与えることで、主人公以外の登場人物の輪郭を濃くしたかったのかは分からない。 ただ、本書の時代は芸術論争が白熱した時代の一つで、主人公のように消極的な(人に運命を委ねるような)人間は、直ぐ様排除されるとも思った。 だから、フィクションと言われているからこそ(最後まで読むと)消極的な若者が、過去にタイムスリップして、未来を塗り替える作業を行ったような不思議な印象を受ける。それを「民藝の巨匠」が繋いでいるかのような。 ただただ「自分はこうなりたくはない」と思った次第。そして、感想もするものではないかな?とも。。いろんな受け取り方があるのでしょうから。
by sumiya-aramono
| 2018-01-25 21:33
| 本
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