2017年 10月 15日

「いさぎよさ」

選書の中の「茨木のり子の家」を、雨がシトシト降る中読んでいました。

強い人なんだろうな~と思いもしたけど、潔い人で、こういう方が「日本人」なんだろうな、とも。
そんな人が生前御自分で書かれた死亡通知書。
強くて潔い人だけに、切なくて儚いことを感じます。
最期の「詩」だったのかな。かくありたいと思いました、良い本です。

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※日付と病名を空けておかれたそう


このたび私 '06年2月17日クモ膜下出血にて この世におさらばすることになりました。これは生前に書き置くものです。

私の意志で、葬儀・お別れ会は何もいたしません。
この家も当分の間、無人となりますゆえ、弔慰の品はお花を含め、一切お送り下さいませんように。
返送の無礼を重ねるだけと存じますので。

「あの人も逝ったか」と一瞬、たったの一瞬思い出して下さればそれで十分でございます。
あなたさまから頂いた長年にわたるあたたかなおつきあいは、見えざる宝石のように、私の胸にしまわれ、光芒を放ち、私の人生をどれほど豊かにして下さいましたことか…。

深い感謝を捧げつつ、お別れの言葉に代えさせて頂きます。

ありがとうございました。

二〇〇六年三月吉日


by sumiya-aramono | 2017-10-15 22:35 | | Comments(0)


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