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2017年 09月 04日

「佐藤卓:ご自由に上がってお使い下さい。」

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今から4年前の京都造形芸術大学のエントランスで開催された「畳」を使ったインスタレーションです。


紹介のページには

「ここでは、心を豊かにするデザインに数多く関わられている佐藤氏の考え方、つまりモノは「常に使われること」によって初めて成立するということを展示空間と体験する時間を通して感じることができます」とあります。



使う「モノ」は「ヒト」が居ないと成り立ちません。特に日本人には「詫び・寂れ」が細胞に浸透していることですので「使う」ということは「安心感」にも繋がるのではないでしょうか。

人々が古びた定食屋さんや居酒屋さんに愛着が湧くのはそういうことだからなのでは?と勝手に解釈しています。


少し脱線しましたが、佐藤卓さんのこのインスタレーションがとても好きで(それは畳を使っているのもありますが)4年経った今も覚えています。「使う」ということに着目した佐藤さんは素晴らしく、目先の事だけを考えられていないことが解ります。


余談ですが、畳は使っている内に色が変わり艶が出ます。何も敷かずそのまま寝ることも出来ますし、日本人が1300年間使ってきた美意識も残っていると思います。


この企画展で「モノは「常に使われること」によって初めて成立する」ということを体現された方は「ヒトは使うことによって」と自らを実証されていたのかもしれません。


by sumiya-aramono | 2017-09-04 19:55 | デザイン


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